「禁煙したい」
喫煙者なら、何度となくそんな風に思ったことがあるでしょう。
実際、禁煙にチャレンジしてみたものの、ストレスに負けて挫折してしまったという人も多いと思います。
実は禁煙には、単に我慢するよりずっと楽で効果的な方法があるのです。
そこで今回は、本当に効果がある、成功率の高い禁煙方法を4つ、まとめました。
「今度こそ禁煙したい!」という人は、ぜひご参考ください。
目次
人はなぜニコチン依存になるのか?
タバコは「麻薬」!?
「タバコ=麻薬」というのは、少し過激かもしれません。
「何もそこまでじゃないだろう」と感じる人も多いと思います。
ですが考えてみてください。
タバコが単なる嗜好品なら、自分の意志で吸いたい衝動を抑えられるはずです。
禁煙したいと思ったら、難なくスッパリやめられるはずです。
タバコが体に悪いと知りながら、ついつい吸ってしまう、そんな風にコントロールできなくしてしまうのが、タバコが麻薬といわれる所以なのです。
タバコに依存するのはニコチン中毒だから
タバコに含まれるニコチンは、大麻よりも高い依存性があるといわれています。
それもそのはず、自力での禁煙成功率はヘロイン並の低さ。
またニコチンは、ガンなどを引き起こす強い毒性を持っています。
タバコの副流煙も、周囲へ健康被害があることも分かっています。
それを重々知りながら、禁煙ができないのはなぜか?
それは、ニコチンに依存してしまっているからなのです。
ニコチンが脳に快感を与えてしまう
では、人はなぜニコチン中毒になってしまうのか?
これは、ニコチンが脳に与える影響に関係しています。
タバコを吸うと、体内にニコチンが摂取されます。
このとき、ニコチンは脳の「ニコチン受容体」と結合し、脳は快感物質「ドパミン(ドーパミン)」を大量に出すことによって、体は快楽を覚えるのです。
これが、タバコを吸うと落ち着いた気分になったり、頭がスッキリしたような気がする理由です。
ニコチン切れで禁断症状があらわれる
このニコチンの効果は、摂取してからたった30分で切れてしまいます。
ニコチン切れを起こすと、離脱症状や禁断症状ともいわれる、イライラ、集中力の欠如などの諸症状があらわれます。
そして、このニコチン離脱症状から逃れるためにまたタバコを吸う、そしてニコチンが切れると離脱症状が起こる・・・といった、負のスパイラルに陥ってしまうというわけです。
禁煙が失敗してしまう3大原因とは?
ニコチン依存は、想像以上に影響が大きいことが分かったと思います。
タバコを吸ってから30分でニコチンの効果が切れてしまうということは、非常に短いサイクルで体がニコチンを欲するということ。
それだけタバコへの依存は、なかなかに拭い難いものなのです。
では次に、禁煙に失敗してしまう3大原因を見てみましょう。
ニコチン依存以外の理由は何があるのでしょうか?
体がニコチンに依存するため
禁煙失敗の第1の要因は、先述したように、ニコチンへの依存によって体がタバコがないといられない状態になってしまうからです。
先述したように、ニコチンへの依存性は、大麻やコカイン、ヘロインなどの麻薬並みといわれており、ニコチン依存状態から脱却して禁煙するのには、麻薬を断ち切るくらい困難なのだそう。
これが、禁煙がなかなか成功しない最大の原因です。
精神的にタバコに依存するため
喫煙者なら身に覚えがあると思いますが、タバコを吸うことで気分が良くなったり、集中力がアップしたような気になったり、また物事が上手くいった気分になったりします。
それが幾度となく繰り返され、蓄積されると、精神的にもタバコ依存に陥ります。
逆にいうと、タバコがないとポジティブな状態になれないと勘違いしてしまうのです。
こうなると、「不安を紛らわすためにタバコを吸う」ようになり、ますます精神的な依存に起こるというわけです。
タバコが習慣になっているため
人間、長い間かけて身にしみついた習慣は、どんなものであれ、なかなか抜けません。
これは、タバコについても同じです。
「朝起きたらとりあえず一服」「会社に着いたらまた一服」といった習慣がしっかり根付いてしまっていると、とかく禁煙の妨げになりがち。
本当はそれほどタバコを欲していないのに、習慣的にタバコを吸ってしまうクセがある人は、まずはそこから見直す必要があります。
成功率が高い禁煙方法4選!
成功率が高い禁煙方法1|行動パターンを変える
先述したように、タバコへ依存してしまう要因の1つに「習慣性」があります。
起床時、食事後、就寝前など、特にものすごくタバコを欲しているわけでもないのに、なんとなく習慣的に吸ってしまう・・・。
そこで、これまでの行動パターンを変え、強制的にタバコの習慣を締め出すというのがこの方法。
タバコから意識を離すことを続けることで、禁煙に至るというものです。
意志力や行動力がある程度必要ですが、基本的にほとんどコストがかからないのもメリットです。
食後に歯を磨く
食後、タバコを吸いたくなったら、歯磨きをするのが効果的です。
「最も喫煙したくなるのは食後」ということが医学的研究でも明らかとなっており、そのタイミングで喫煙以外のことをするということが重要なのです。
喫煙者の歯はヤニで汚れているので、ていねいに時間をかけてしっかり磨いてください。
これでタバコに対する欲求を、歯磨きによって紛らわせるというわけです。
さらに歯を磨くことで口内がサッパリして、タバコを吸いたい気持ちを抑えることができます。
歯をていねいに磨くことは、口腔ケアにもつながり、一石二鳥。
また、新製品の歯ブラシや、歯磨き粉を選んだりして、歯磨きそのものを楽しみの一環とし、意識をタバコから離していくと、さらに効果的です。
ガムを噛む
タバコが欲しくなったら、ガムを噛むのも有効です。
口寂しさを紛らわせることで、イライラなどニコチン離脱症状が緩和されます。
刺激のあるタイプのガムなら、刺激によってより気分が紛れやすくなるでしょう。
これまで、一息つくときはタバコを吸っていたという人も、ガムをかむことに置き換えてください。
また、禁煙はストレスを伴うものですが、人は何かものを噛むことによって、心が落ち着いたり、集中力がアップすることが医学的に判明しています。
その点、ガムなら口寂しさを紛らわせられるだけでなく、離脱症状も抑えてくれるわけですね。
口寂しさをカバーできれば良いので、ガム以外にもキャンディ、グミ、タブレット、おしゃぶり昆布やするめでもOKです。
タバコの席に行かない
タバコの席はあちこちにあります。
飲み会などがあれば、タバコの誘惑に負けそうになります。
お酒を飲んで気持ちが緩み、禁煙中なのについついタバコに手が伸びてしまったという人も多いのではないでしょうか。
特に、禁煙、分煙ではない居酒屋などは、タバコの香りが漂っているので、よけいにタバコを吸いたくなるものです。
さらに、喫煙者が同席していれば、「1本だけ」と誘われることもあるでしょう。
これらを断ち切るためには、相当の意志力が必要になってきます。
そんな鉄の意志は持ってないという人ほど、そもそもタバコの席には行かないというのが、一番というわけですね。
これは、周囲に「付き合いが悪い」と思われるかもしれませんが、禁煙を成功させて、「タバコのことは思い出すけれど、体が欲していない」状態にまでなれば、また飲み会に参加できるので、一時的に避けるというのも必要です。
運動をする
タバコへの欲求を抑えるなら、軽い運動をするのも一つの手。
運動を行うことで、タバコに対する思いを紛らわすことができます。
また、運動によるデトックス効果により、離脱症状の期間を縮めることができるのです。
運動は、一見、禁煙と関係がなさそうですが、ある調べによると、禁煙に成功した100人のうち、軽い運動を挙げた人数が上位(第4位)にきています。
運動すると気分がハイになるので、タバコから意識が離れます。
運動を習慣的に行うことで、タバコを忘れる時間が長くなるというわけですね。
また、禁煙によって体重が増えたという人は、体型を戻す意味でも運動は有効。
禁煙をすると肺機能が活性化するので、それまで息を切らしていたレベルが軽くクリアでき、どんどん運動が楽しくなってくる人も多いようです。
タモリ式禁煙法
タモリさんはヘビースモーカーだったそうですが、この方法を実践しただけで禁煙が成功したのだとか。
そのタモリ式禁煙法とは、「吸いたくなったら15秒間数える」というもの。
これは、「人のタバコへの欲求は15秒以上は続かない」という考えによるもので、ほかにタモリ式禁煙法を実践して禁煙に至った人も多いようです。
「吸いたくなったらとりあえず15秒数えてみる」、これで意外と我慢できます。
とはいえ、どうしても吸いたい!タバコを思い出すと発狂しそうだ!というときあると思います。
そんな心を鎮静化させるためにも、15秒数えるのには意味があるのです。
タモリ式禁煙法はコストが全くかからないので、とりあえず試してみる価値もありそうですね。
成功率が高い禁煙方法2|禁煙セラピー本
成功率が高い禁煙方法2つ目は、「禁煙セラピー本」です。
禁煙セラピー本とは、禁煙中のイライラや集中力の欠如などの離脱症状を、的確にコントロールするための本。
タバコへの欲求を我慢するときにあらわれる不具合を、精神的に管理して禁煙に至るというものです。
エビデンス(科学的根拠)はないものの、意外とタバコをスッパリやめられたという人が多いのが、この禁煙方法です。
有名芸能人も太鼓判
禁煙セラピー本は、人気TV番組「アメトーーク!」で取り上げられて以後、多くの人の関心を集め、実践されました。
ほとんどの人は「まさか本を読むだけで禁煙できるわけない」と感じると思いますが、「意外とすんなり禁煙できた」と太鼓判を押す人も少なくありません。
有名芸能人にも、「禁煙セラピー本を読んで禁煙に成功できた」という体験者がおり、タレントの田村淳さんや今田耕司さん、品川祐さんらがコメントを寄せています。
「読むとなぜか禁煙をサポートされた気持ちになる、不思議な力のある本」なのだそう。
アレン・カー氏の禁煙本は世界中で大ベストセラー
禁煙セラピー本は、アレン・カー氏の著作「禁煙セラピー」がもっともメジャーで、文字ばかりの本は苦手という人のために、「マンガで読む禁煙セラピー」もあります。
アレン・カーさんは、18歳くらいからタバコを吸い、多い日はなんと毎日100本以上吸うような、超ヘビースモーカーでした。
そんな重度のニコチン依存だった彼は、33年間の喫煙生活の間に、あらゆる禁煙方法を実践しては失敗していました。
禁煙へのトライ&エラーを繰り返し、最終的にはタバコをやめることができたのです。
自身の経験から「世界中の喫煙者の力になりたい」という熱意に突き動かされ、独自のメソッドをまとめ執筆されたものが「禁煙セラピー」です。
禁煙セラピーは、世界中で35以上の言語に翻訳され、総計1,100万部を超える大ベストセラーとなりました。
超低コストで始められる
禁煙セラピー本の最大のメリットは、ほとんどコストがかからないことです。
1冊の定価が1,000円くらいという安さで、読んだらすぐに禁煙を始められます。
ただ、エビデンス(科学的根拠)がはっきりしたものではないので、読後の本人の行動次第で結果がまったく異なってきます。
参考:禁煙セラピー
世界15ヵ国で翻訳され、イギリス、ドイツ、オランダで毎年ベストセラー!
成功率90%。
本書であなたはタバコへの心理的依存から完全に解放されます。
参考:マンガで読む禁煙セラピー
世界No.1の禁煙法を、マンガでさらにやさしくレッスン。
タバコをやめたいと思いながらも、なかなかやめられない勇。
勇より一足先にノンスモーカーとなった恋人の治美が禁煙セラピストとなって、世界一簡単な禁煙法を楽しく講義します。
成功率が高い禁煙方法3|禁煙グッズを使用する
第3の方法は、禁煙グッズを活用する方法です。
禁煙グッズはかなりたくさんあるので、本当に効果のあるものに絞りました。
禁煙をしてもなかなかタバコをやめられないという人は、体がニコチン依存の状態になっているので、禁煙中の体内のニコチン不足を補い、イライラなどの症状を抑えてくれる禁煙グッズを使うことで、スムーズに卒煙できます。
禁煙をするときには、一気にニコチンを断つのではなく、身体的にも精神的にも無理ない範囲で段階的にニコチンの量を減らしていくことで、格段に成功率がアップします。
何となく禁煙を始めるのではなく、しっかりとした禁煙プランを立ててから実行すると、より効果的です。
ニコチンガム
ニコチンを含むガムは、禁煙外来で処方されることもある禁煙グッズで、効果が実証されているほか、ガムタイプなので日常生活に取り入れやすいのがメリットです。
ニコチン入りガムの中でも、もっとも代表的なのが「ニコレット」。
ニコレットは、ドラッグストアやネットストアでも手に入れられます、
ニコレットは日本初の禁煙補助剤でもあり、「ニコチン置換療法」の一環として禁煙外来でも取り入れられています。
ニコチン置換療法とは、ニコチンをタバコ以外の方法に置き換えて摂取することで、イライラや集中力の欠如などの離脱症状を穏やかにし、徐々にタバコに依存しない体に変えていく禁煙方法。
段階的にニコチンの量を減らしていくことで、最終的にノンスモーカーになれます。
参考:ニコレットガム
ニコレットはタバコをやめたいと望む人のための医薬品で,禁煙時のイライラ・集中困難などの症状を緩和します。
使用期間は3ヵ月をめどとし,使用量を徐々に減らすことで,あなたを無理のない禁煙へ導きます。
ニコチンパッチ
ニコチンパッチは、肌に直接貼るシール状のシートで、ニコチンを経皮吸収することで、離脱症状を穏やかにする医薬品です。
ニコチンガムと同様、ドラッグストアで手に入れることができます。
ニコチンパッチは何種類かありますが、もっともメジャーなものは「ニコチネルパッチ」。
ニコチネルパッチはSTEP1~STEP3まであり、経皮吸収されるニコチン量を段階的に減らしていくことで、禁煙に至るというものです。
STEPごとに何日間という目安期間があるので、無駄に長期化せず、計画的に禁煙できるのもメリットです。
参考:【第1類医薬品】ニコチネル パッチ
ニコチネル パッチは、タバコをやめたい人のための医薬品です。
1日1回貼るだけの簡単な使用方法で、禁煙時のイライラ・集中困難などの症状を緩和し、あなたの禁煙をサポート。
シンプルな2ステップの禁煙プログラムにより、約2ヵ月で、あなたを無理のない
禁煙へと導きます。
離煙(りえん)パイプ
離煙(りえん)パイプは、字があらわすように「タバコから離れられる」パイプです。
離煙パイプは、著名人や芸能人を含め、多くのヘビースモーカーを禁煙に成功させたことでも知られており、その成功率はなんと89.3%。
実際に禁煙に至った人の数は47万人という実績を誇っています。
独自の特許技術によるパイプを使って、現在のタバコを吸いながら、1日3%ずつニコチンを減らしていくというもので、ストレスレスで減煙することができます。
少しずつですが着実にニコチンに依存しない体になれるので、イライラなどの離脱症状も最小限となっています。
参考:離煙パイプGR
脳内では3%のわずかな差に違和感を感じることもないまま、31番目の離煙パイプではニコチン摂取量は最大0.005mgまで減少します。
そのため、普段通りにタバコを吸っているだけで体内に溜まっているニコチン依存性も減少していき、自然と気づいた時にはいつでも禁煙できる体内環境が作れます。
薬品などは一切使用していないので、持病や体質でニコチンガムやニコチンパッチ、禁煙薬が使えない方でも安心してお使い頂けます。
ニコチンガム、パッチ、離煙パイプといった禁煙グッズは、身体的にも精神的にも負担をかけずに禁煙へ至るので、それぞれの商品の説明に従って、計画的に行いましょう。
しっかり用法・容量を守って正しく行えば、卒煙までもそう遠い道のりではありません。
電子タバコで禁煙できる?
電子タバコは、リキッドと呼ばれる液体を熱して霧状になったものを吸い込む、という近年人気の嗜好品です。
基本的にニコチンが含まれていないので、禁煙グッズとして紹介されたり、売られていることがありますが、禁煙に効果があるという科学的根拠には乏しいのが実情です。
電子タバコで、最終的にタバコが不要になるまでになるのは至難の業。
日本がんセンターの調べでも、電子タバコは「我慢よりも40%も禁煙が難しくなる」ことが分かっています。
あくまで電子タバコは、いわゆる「禁煙パイポ」の電子版という位置づけ。
多少の口寂しさは紛れますが、ニコチンそのものへの欲求が抑えられるわけではありません。
どちらかというと、節煙対策、タバコの本数を減らしたい人向けの節煙グッズです。
電子タバコは安全性も検証中
電子タバコは、通常のタバコと似た感覚で吸えるので、禁煙に効果があるという人もいますが、電子タバコはやはり嗜好品であり禁煙グッズとはいえません。
WHOの発表によると、電子タバコの安全性はまだ認められておらず、粗悪品を使用したために健康被害を受けたというケースもあります。
電子タバコは、通常のタバコのようにニコチン、タールといった有害物質が入っていないというのが長所ですが、まだ安全性をしっかり確認されたものではないことは知っておいてください。
成功率が高い禁煙方法4|禁煙外来を利用する
禁煙外来ってどんなところ?
禁煙外来は、禁煙したいという強い意志がある人に、クリニックの医師がアドバイスと投薬をし、禁煙治療をするという方法です。
基準となる条件をクリアしていれば健康保険が適用されるので、比較的低コストで医学的に禁煙をすることができます。
「自分一人では禁煙をするのに自信がない」「これまでなかなか禁煙が続かなかった」という人に、特におすすめです。
禁煙治療を保険適用で受けるには、次の3つの要件を満たしていることが必要です。
・ニコチン依存症のテストが5点以上
・ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
(35歳未満なら指数はいくつでも可)
・すぐに禁煙することを希望し、禁煙治療を受けることに同意すること
禁煙外来での治療方法
禁煙外来で処方される薬
禁煙外来では、おもに次のような投薬治療が行われます。
ニコチンパッチ(ニコチネルTTS)
禁煙グッズで紹介しましたが、ニコチンパッチはニコチンを含んだシールを肌に直接貼り、ニコチンを皮膚から吸収することで、イライラなどの離脱症状を緩和するものです。
ニコチンパッチが不要になるのは、2ヶ月間が目安です。
チャンピックス(成分名:バレニクリン)
チャンピックスはニコチンを含まない内服薬です。
ニコチンと同様の作用を持ち、脳からドーパミンを出させ、ニコチン離脱症状を抑制する禁煙補助薬です。
脳に作用すると聞くと少し怖いかもしれませんが、作用はごく穏やかで、薬に依存性はありません。
また、煙草がまずく感じるというメリットもあります。
服用する期間は3ヶ月が目安です。
どちらの薬も依存性はなく、ある一定の期間のみ使用するものです。
治療が終われば必要がなくなるので、薬を使った治療に抵抗がある人でも安心です。
禁煙中の乗り越え方をアドバイス
禁煙外来の治療は、薬が処方されるだけではありません。
医学的見地から、習慣依存へのアドバイスも行われます。
習慣依存とは、
・いつも同じシチュエーション、タイミングでタバコを吸ってしまう
・手持ちぶさたになると、ついついタバコに手が伸びる
といったことが挙げられます。
「これまで吸っていたシチュエーションで吸わない」ということを反復練習することで、「特定のシチュエーション=タバコ」ということを心理的に結びつけるクセがなくなり、従来の習慣が薄まっていきます。
つまり、タバコから離れる期間を1日ずつ延ばすことで、習慣依存を弱めていくのが重要なのです。
禁煙外来は、自分のクセや弱みを知ることで、単に我慢するのではなく、効果的に禁煙を支援してくれる機関というわけですね。
また、投薬やアドバイスだけでなく、禁煙への応援者にもなってくれるので、それがモチベーションになるというのもメリットの1つです。
禁煙治療のスケジュールは?
禁煙治療は、12週間の中で5回行います。
健康保険等が適用された禁煙治療では、治療期間は12週間が基本で、その間に5回診察を受けることになります。
治療を受ける際に一番重要なことは、ドクターに無断で途中でやめないこと。
1回だけ診察を受けて、「あとは自力でできそう」と治療を続けない人がいますが、このような人の場合、禁煙成功率は格段に低いことがわかっています。
【禁煙治療を受けた回数と禁煙成功率の関係】
上のグラフは、5回の診察を完了した人と、途中で診察をやめてしまった人の禁煙成功率を比較した調査結果です。
全部の治療を終えた人では、約50%が禁煙に成功しており、2人に1人が禁煙を続けています。
一方、最初の治療でやめてしまった人の場合、禁煙成功率はたったの4.7%でした。
ではどうして、途中で治療とやめると成功率が格段に下がってしまうのか?
それは、診察に行かないことで、ドクターのアドバイスや薬の処方が受けられなくなるから。
それだけ、一人で禁煙を続けるのは困難というわけですね。
禁煙外来に行くと決めたら、12週間(5回)の禁煙治療をしっかり受けてください。
禁煙外来のコストはどのくらい?
気になるコストですが、禁煙外来でかかる治療費は13,000円~20,000円程度。
「病院で受ける治療だから、それだけ医療費がかかりそう」というイメージを持つ人も多いと思いますが、実は禁煙治療は、条件を満たしていれば健康保険等が適用されるのです。
自己負担が3割の人なら、処方される薬の種類にもよるものの、12週間(5回)の治療で13,000円~20,000円くらいが目安です。
タバコを1日1箱ペースで吸う人だと、8~12週間分のタバコ代と、保険が適用された禁煙治療費を比較すると、下のグラフのように、禁煙治療にかかるコストのほうが、タバコ代よりも安くなるのが分かります(詳しくは各医療機関まで)。
【健康保険等の適用と禁煙治療にかかる費用】
専門医の的確なアドバイスのもと禁煙サポートが受けられて、なおかつ保険が効くのなら、禁煙外来へのハードルもグッと下がるのではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
禁煙に良いといわれる方法はたくさんありますが、本当に効果のある禁煙方法はたった4つということが。
お分かりいただけたと思います。
しかし、「タバコをやめるぞ!」という意志力・行動力が高い人でないと、いくら効果のある禁煙方法を使っても、実際に卒煙するのは難しいです。
まずは、禁煙スケジュールを立て、段階的にタバコを必要としない生活にシフトしていきましょう。