自炊を始めたばかりの人、料理が苦手な人にとって、高い障壁となるのが「毎日の食事」問題です。
一人だからと適当にコンビニ弁当で済ませたり、ファストフードやカップラーメンばかり食べていれば、栄養バランスも心配だし、何よりもコストもかかってしまう・・・。
「それではいけない」と自炊を始めてみたものの、何から始めて、何を作れば栄養的に良いのか、コストがかからないのか、分からないというのが実際のところではないでしょうか?
そこで今回は、料理初心者でもできる「栄養バランスが良い自炊料理」を15厳選しました。
また、三日坊主にならない「自炊が続くちょっとしたコツ」も紹介しています。
ぜひ、自炊デビューを成功させてください。
目次
自炊デビューでも簡単!栄養を整えるポイント
自炊の目的の1つには、「栄養バランスの良い食生活で、健康な体作りをする」ことがあります。
では、どういう食事が栄養バランスが整っているのか?
まずは、それを知っておかなければなりません。
「自炊料理15選」に触れる前に、栄養バランスについて簡単に解説します。
「食事バランスガイド」で栄養バランスを知ろう
「食事バランスガイド」とは、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した「どの食材を」「どのくらい」摂れば良いかを、イラストでわかりやすく解説したもののことをいいます。
栄養バランスガイドでは、栄養バランスを「コマ」にたとえて表現しています。
コマ本体は「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つのグループで構成されており、主食から順に摂るべき食品群が並べられています。
コマの軸となるのは、人間に不可欠な水分。
コマを回す紐部分は、食生活の楽しみとなるお菓子や嗜好飲料を表現しています。
出典:横浜市健康福祉局
どれかのグループばかり多く摂ったり、紐(菓子・嗜好品)が太くなりすぎると、コマはバランスを崩してしまい、ちゃんと回ることができません。
コマの回転を安定させるためには、5つのグループを偏りなく摂ることが大切なのです。
出典:横浜市健康福祉局
これが「栄養バランス」の良い食事だ!
食事の基本をおさえておこう!
栄養バランスがとれた基本的な食事とは、簡単に言えば、食卓に「主食・主菜・副菜+α」(定食タイプ)が揃った状態のことをいいます。
では、主食や主菜、副菜はどのようなものを指すのか、基本をおさえておきましょう。
主食とは
主食とは、ごはん、パン、麺類など、炭水化物(糖質)が主体の食品群をいいます。
ビーフン、フォー、トルティーヤ、肉まん、春巻き、餃子の皮、シュウマイの皮なども、炭水化物を多く含んでいます。
人間にとって重要なエネルギー源となるので、1日に摂るエネルギーのうち50~60%は主食から摂るのが推奨されています。
主菜とは
主菜とは、肉、魚介類、卵、大豆製品(豆腐、納豆)、乳製品などの、タンパク質が主体の食品群がメインのメニューのことをいいます。
人間にとっては、筋肉を作るなど重要なタンパク源となります。
副菜とは
副菜とは、味噌汁や付け合わせ、小鉢などのことを指します。
野菜やきのこ、こんにゃく、海藻類など、ビタミンやミネラル、食物繊維を多く含む食品群がメインのメニューのことをいいます。
ただし、ジャガイモやサツマイモ、山芋、里芋などの芋類、かぼちゃ、くり、れんこんは、
炭水化物(糖質)が主体なので、これらが多いようであれば、同じく炭水化物が主体である主食を減らすようにしてください。
+α(果物など)
主食、主菜、副菜に含まれない、果物(みかん、りんごな、バナナなど)は、1日1回程度加えることで、栄養バランスが良くなります。
基本スタイルは「主食・主菜・副菜」の3つ
食事の基本スタイルは、「主食・主菜・副菜」の3つを揃えること。
コンビニやスーパーの総菜でも良いので、この3つを揃えるように意識するだけで、栄養バランスはかなり違ってきます。
今まで、主食と主菜だけを選んでいたという人も、小鉢や汁物、果物をプラスするようにしましょう。
栄養バランスの整った、手軽な自炊料理15選!
自炊を始めたばかりの人、料理が苦手な人でも失敗しにくい、手軽な自炊料理を15選びました。
色々組み合わせて、栄養バランスの良い食事を目指しましょう。
栄養バランスの良いお手軽な自炊料理|朝食編
焼き魚
焼き魚は、意外に手間がかからないメニュー。
ワザが要りそうな魚料理でも、干物や切り身なら焼くだけでOK。
魚焼きグリルがないという場合も、フライパンや電子レンジを使った調理法もあります。
フライパンで焼き魚☆
味噌汁
白いご飯に味噌汁、それだけで立派な食事になります。
油揚げやネギなどを好きな具を入れて、味噌を投入するだけなので、料理初心者でも簡単にできます。
具だくさんの味噌汁なら、栄養価も高まり満足感もアップ。
本だしで簡単!基本のねぎと油揚げの味噌汁
トースト
朝はパン派という人は、パンに具をのせてアレンジをすると飽きずに食べられます。
チーズは腹持ちが良く、パンの弱点である腹持ちの悪さをカバー。
トッピングを増やすと、様々なバリエーションを楽しめます。
…簡単朝トースト(ピザ風)…
牛乳ドリンク
パンと合わせたいのは、栄養価の高い牛乳。
そのままだと飽きやすいので、きな粉やココアを入れて味を変えると、より栄養価も高まります。
簡単でおいしい(^^♪きな粉ドリンク
栄養バランスの良いお手軽な自炊料理|昼食編
パスタ
スパゲッティなどのパスタは、安くて手軽なので、一人暮らしでは定番メニューです。
既定の分数茹でて、市販のソースをかけるだけでもOK。
その場合は、野菜が不足しがちになるので、野菜サラダを足すか、野菜をトッピングすると栄養バランスが良くなります。
長ねぎとベーコンの簡単★和風パスタ
サラダ
サラダはコンビニでも手に入りますが、自分で作る方が断然オトク。
同じコストで、倍以上野菜を摂れます。
ほとんどは材料を切って器に盛るだけなので、テクニックもいりません。
ベーコンや卵などをプラスすると、栄養価が高まります。
野菜サラダ
炒飯
「材料がご飯と卵しかない」というときにも炒飯なら作れます。
残り野菜など余りものを投入すれば、より味わい深く、栄養価の高い炒飯の出来上がり!
シンプルなのに美味しいチャーハン
スープ
スープまでは作るの面倒というときも、お椀に具と調味料を投入し、お湯をそそぐだけで、スープが完成。
簡単&高コスパで、栄養価の高い一品が作れます。
混ぜるだけ!わかめスープ
うどん
低コストで、手軽に作れるうどん。
温かいうどんやざるうどんだけでなく、野菜たっぷりのサラダうどんもバリエーションに加えてみては?
卵をプラスして、栄養バランスもバッチリです。
コンビニ食材で☆レンチンサラダうどん
栄養バランスの良いお手軽な自炊料理|夕食編
シチュー・カレー
シチューやカレーは、1人分だけ作るより、たくさん作って冷凍しておくのも手。
温め直すだけで、すぐに食べられます。
簡単☆基本のカレーライス
お浸し(おひたし)
お浸しは、少量で野菜がたくさん摂れるメニュー。
鍋で茹でず、レンジにお任せすれば、手間もワザもいりません。
作り置きができるので、あともう1品欲しいときに便利です。
レンジで簡単!ほうれん草のお浸し
野菜炒め
一人暮らしで不足しやすい野菜が、たくさん摂れるのが野菜炒めです。
肉類も入れれば、ボリューミーになり満足度もアップ。
栄養価も高まります。
豚肉の野菜炒め
親子丼
フライパン1つでササッと作れる親子丼。
短時間でできるので、忙しいときにピッタリです。
味付けはめんつゆに任せるので、ワザいらず。
鶏肉を豚肉にした「他人丼」もおススメです。
めんつゆで簡単☆親子丼
肉じゃが
おふくろの味の定番、肉じゃが。
料理スキルがいりそうなイメージがありますが、食材の数もさほど多くないので、難易度は高くありません。
作業工程を省いたズボラバージョンもあるので、料理初心者におススメです。
炒めず煮るだけ簡単★肉じゃが
鍋料理
寒い冬に食べたくなるのが鍋料理。
鍋は栄養バランスがバッチリ。
肉や魚介類、豆腐、きのこ、野菜、うどんなどを入れて煮込むだけで、具材の出汁が出てうまみがアップします。
冷蔵庫にある食材の在庫処分にも。
サッと簡単1人チゲ鍋。
「彩り豊か=栄養バランスが良い」5色を揃えることを意識して
「栄養バランスが良い食事」といっても、その組み合わせは無数にあります。
「具体的に何をどのように食べたらいいのか分かりづらい」という人も多いでしょう。
そこで、意識してほしいのが「赤・緑・黄・黒・白」の5色の食品を摂るように意識すること。
彩りの良い食事が、バランスの良い食事の目安となります。
例として
緑:ほうれん草・ピーマン・レタスなど
黄:かぼちゃ・とうもろこし・卵など
黒:しいたけ・わかめ・黒ゴマなど
白:大根・豆腐・米など
とはいえ、これらの材料を使った料理を1品ずついちいち考えるより、食卓をパッと見て、「赤・緑・黄・黒・白」の5食が見えればOKです。
1回の食事で全部入っていれば理想的ですが、それはなかなか難しいので、1日3食の間に5色揃えるように意識するだけで、かなり違ってきます。
ファストフードや牛丼屋、コンビニばかりだと、赤(肉)と白(ご飯・麺・パン)がばかりに偏り多がち。
意識的に、ほかの3色(緑・黄・黒)の食ベ物も摂るようにしてください。
脱三日坊主!自炊を続けるコツ
自炊を始めたばかりの人は、「料理をするぞ!」と気合を入れたものの、結果的に三日坊主に終わるという人も少なくありません。
これは、最初から頑張り過ぎて、スキルがついていけなかったというのが原因です。
自炊生活は続けるのが肝心。
忙しくても自炊が続けられる、ちょっとしたコツを紹介します。
あまり気負わず、できることから始めてみましょう。
ご飯だけは炊いておく
自炊生活は「ご飯を炊く」習慣からスタートしましょう。
炊飯器を持っていないなら、タイマー付きがおススメ。
そして、まずはお米を炊くことにトライしてみてください。
無洗米なら、お米を研ぐ必要はありません。
「お米を炊くなら土鍋が至高」という話もありますが、それはかなり面倒なので、炊飯器に全部お任せで良いです。
タイマー付きなら、自分の好きな時間に炊き上げてくれるので、忙しい朝や疲れて帰った夜でも温かいご飯が食べられます。
ご飯が炊けたら、おかずは総菜、インスタントみそ汁などでも立派な食事になります。
ご飯を炊く習慣をつけるのは、自炊の基本。
難しいおかず作りにいきなりチャレンジするのではなく、ご飯を炊くことから始めてください。
フライパンを揃えよう
料理初心者の人にありがちなのが、まずは形から入ろうと、調理器具や食器を一式買い揃えてしまうというケースです。
でも、結果的にそこまで料理をしなければ宝の持ち腐れ。
自炊を始めたばかりの人に、炊飯器や包丁などの次に揃えておいてほしい調理器具は「フライパン」です。
フライパン1つで、茹でる・煮る・焼く・炒める・蒸す・揚げるなど、ほとんどの調理ができます。
いきなり凝った料理を作るのではなく、フライパン1つでできるレシピで料理を始めると、失敗を少なくしながら、徐々に料理スキルを上げることができます。
フライパンは大きさや形がたくさんありますが、まずはスタンダードな中くらいの大きさから。
その後、自分がよく作る料理に合わせて、違うサイズを揃えても良いでしょう。
「○○するだけ」でOK!
遅く帰宅した日や、料理に慣れていない人が、いきなり主菜から副菜まで何品も揃えるのは無理ですよね。
まずはできることから、1つだけやってみましょう。
ご飯炊くだけ、焼くだけ、切るだけなど、簡単なことだけでも全くやらない食事より全然、コストや栄養面で違ってきます。
コンビニ弁当だけでは野菜不足だから、それにプラスして「野菜を切るだけのサラダ」というのでもOK。
少しずつ、できることをすることで、できることの幅が広がってきます。
一品だけ作る
料理をすることに慣れ始めたら、次は一品だけ作りましょう。
とはいえ、いきなり難易度の高いものを作る必要はありません。
例えば、サラダやお浸しなどなら、コツをつかめば10分以内でできあがりますし、惣菜や弁当だけでは不足しがちなビタミン類をカバーすることができます。
主菜を作れるようになるまでは、副菜で料理に慣れておくというのもポイントです。
半調理品、冷凍食品、料理の素を活用しよう
出典:LIVE JAPAN
出典:味の素
レトルトや冷凍食品、缶詰などは、一人暮らしにとても便利。
ご飯が炊けるようになったら、次は初歩的な料理に挑戦してみましょう。
最近は、すでに食材が揃えてあり、あとは簡単な調理をするだけでできる半調理品(ミールキット)など、忙しい人や料理初心者でも作りやすいものが数多く売られています。
また、冷凍食品や料理の素などは、手軽なだけでなく賞味期限が長いので、ストックしておくと日々のメニュー選びに便利です。
半調理品や冷凍食品は、材料から揃えるより多少割高にはなりますが、外食、コンビニ食よりは低コスト。
商品によっては、料理初心者用に詳しい説明書きがあるので、その手順通りに調理すれば美味しく出来上がります。
割高でも小さい方が◎
野菜や肉、各種調味料などは、大きいサイズの方が割安の場合が多いです。
一方、小さいサイズはgあたりで換算するとどうしても割高に。
毎日のように自炊をするなら、大きいサイズが断然おすすめですが、たまにしか料理できそうにないなら、割高でも小さいサイズを選んだ方が、賞味期限切れで捨てる(食品ロス)ということが少なくなります。
カット野菜は、材料を揃える必要もなく、切る手間もないので便利なアイテムです。
出典:東急ベル
足りない栄養はサプリで補おう
これまで紹介したように、手間がかかりそうに見えるに料理でも、少しの工夫で簡単に作れ、バランス良く栄養を摂ることができることが、お分かりいただけたかと思います。
それでも、日々忙しい人の場合、料理にかけられる時間も少なくなりがちですし、毎回、定食のように副菜を揃えられないということも多いでしょう。
そんなときは、サプリメントで不足しがちな栄養素を補うのも1つの手。
サプリで補うなら、総合的に栄養素が摂れる、マルチビタミン、マルチミネラル、クロレラなどがおススメです。
マルチビタミン、マルチミネラル、クロレラは、さまざまな栄養素が1粒に凝縮されているので、とても手軽に栄養素を摂ることができます。
ただ、サプリメントは、あくまで補完的存在。
食生活がしっかりしていることが大前提なので、過信はNGです。
参考:ディアナチュラ ストロング39アミノ マルチビタミン&ミネラル
マルチビタミン&ミネラルに必須アミノ酸を含む18種のアミノ酸、毎日の活力に役立つビタミンB1・B2・B6、亜鉛を強化したストロング処方。
全39種の成分を1日3粒でまとめて手軽に摂取できます。
無理がきかない時や朝すっきり起きたい方、忙しい毎日を過ごす方の元気チャージにおすすめです。
参考:井藤漢方 クロレラB
クロレラの鮮やかな緑色は葉緑素(クロロフィル)の色です。
また、硬い細胞壁に守られているため食物繊維も豊富。
タンパク質が約60%も含まれ、植物タンパク質には珍しく必須アミノ酸はもちろん、非必須アミノ酸、そして各種ビタミン、ミネラルを多く含まれています。
まとめ
低コストで栄養バランスの良い食事をするなら、自炊が一番。
とはいえ、料理初心者は、慣れないうちはストレスになるかもしれません。
最初は、一品だけ簡単なものを作るような「プチ自炊」からスタートして、少しずつ本格的な自炊に移行するのがおススメ。
忙しいときは、今回ご紹介したような手間のかからない「ズボラ飯」で済ませる、というのも自炊に挫折しないコツです。
ぜひレシピを真似て、健康な体作りの一歩を踏み出してください。